SYDいばらきが行っているマニラ自立支援活動について、福田支部長が書いたレポートが、
松下政経塾のHPに掲載されています。
→レポートは
こちら
○マニラの複雑な現状
○SYDいばらきとマニラ
○活動のねらい
○今後の実施予定
○ご参考資料
○マニラの複雑な現状
フィリピンは我々日本人にとって大変なじみ深い国です。フィリピーノスマイルと言われる彼らの陽気な笑顔には、誰もが心和むひとときを感じます。
フィリピンは古くはスペインに統治され、第二次大戦の日本統治を経て、長くアメリカの統治下にありました。その過程で、様々な発展を遂げ、東南アジアでは先進国の一つでもあります。
しかし、メディアに登場するフィリピンは、ゴミの山で働くスカベンジャーと呼ばれる子供たちや、ストリートチルドレンが映し出され、なぜか貧しさばかりが取り上げられます。一面では先進国、一面では貧困という両者が混在するのがフィリピンです。
(パヤタスのスカベンジャーを描いたドキュメンタリー映画「神の子たち」は現地を理解するために大変良い映画ですので、一度ご鑑賞頂くことをお奨め致します。
フィリピンの国民一人あたりの年間GDPは約1000ドルで、これは中国の750ドルを大きく上回ります。現在フィリピンが抱えている問題は、アフリカの国々のような国としての貧困ではなく、国全体としては豊かだけれど、富の再分配がうまく機能していないところにあります。
また、フィリピンの複雑なところは、多くの貧困層と呼ばれる人たちが、実は自らの意思で現在の生活をしていることです。十分な教育を受けていないために、街中で極低賃金で働くよりも、スカベンジャーのような劣悪な環境で働く方が収入が良いためです。
一般に、国際的な援助を受けている人々は「出来ることならば現在の生活を抜け出したい」と考えて援助を受けながら自発的な努力をするわけですが、フィリピンの場合、援助を受ける側が必ずしも現在の生活を変えたいとは思っていないところに援助の難しさがあります。
このように、本人たちは必ずしも現状を変えたいとは思っていないのですが、生活環境の問題から、乳児死亡率は非常に高く、奇形も少なくないなど、絶対に改善しなければならないと考えられています。
○SYDいばらきとマニラ
我々SYDいばらきは1999年からマニラにご縁を頂き、我々の力で何が出来るかを検討してきました。その結果、@彼らが自らの意思でこの現状を脱出したいと思い、Aそう思ったときにより高収入が得られるような教育を受けている事が大切であると考えました。
そこでSYDいばらきでは次のような活動を実施しています。
○活動のねらい
1)大学を卒業するまで援助する
「せめて小中学校まで」と考える国際的な援助は多岐にわたり、多くの団体が充実した援助活動を実施しています。そのお陰で彼らも中学校まで卒業できる機会を得ています。しかし、中学卒業では多くの収入を得ることが出来ず、再び元の生活に戻ってくることが少なくないということが分かってきました。そのためSYDいばらきでは、対象と出来る数は少ないながらも、何とか大学を卒業するまで援助したいと考え、有志による学費・通学費・制服代・テキスト代等の支援を実施しています。
2)将来を描く友人になる
貧困の家庭で暮らしてきた場合「果たして大学を出ると何が出来るのか」といった将来への目標が明確にならないため、やる気が継続されません。そのためSYDいばらきでは、支部のメンバーを中心に彼らと同年代の高校生、大学生が現地を訪れ、彼らと継続的な友人関係を続けることで、色々な世界観をお互いに広げるプログラムを年に二回実施しています。
3)国際理解の提供(特に日本からの参加者へ)
SYDいばらきでは、彼らと真の意味で友人関係を築き、学生時代のみならず、生涯にわたって深い関係を継続することを願ってプログラムを実施しています。それは、いわゆる国際交流事業や表面的な視察といった単なる「経験を得るため」のものでは決して無く、このプログラムを継続することで、お互いの世界観、人間観が大きく広がる、人間修養の場になることを願っています。
(このプログラムは、マニラ市、ケソン市両政府、各下院議員事務所等多くの方の協力を得て実施されています)
是非、次回の自立支援活動inマニラにご参加されることをお待ちしております。
(現在の支援の対象地域は、パヤタス、ナボタス、トンド地区ですが、現地での調査の過程でその他の地域での援助が必要と判断された場合は、今後の支援対象と致します)
○今後の実施予定
毎年3月期と9月期にマニラの現地での活動を予定しています。その他臨時に渡航する場合もございます。
具体的な日程は、順次このページでご案内致します。
○お知らせ
SYDいばらきでは、マニラでの支援活動に継続的に参加して頂ける方を募集しています。計画立案や現地への事前調査等を行います。
問合せ先:〒111-0021 東京都台東区日本堤1-31-9
財団法人SYD修養団
いばらき支部東京事務所
電話:050-3701-3444
FAX:03-6730-2775
E-mail:
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